昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

ミニエースと僕

 僕が小さい頃は走っている車がまだ少なく馬車が車の代わりに荷物を運んでいた。どの家も馬車で動くので道は沢山の馬糞が落ちていた。風が吹くと乾いた馬糞が舞い上がって大変だった。

 僕が小学生になった頃、国道がアスファルトになり父さんが車の免許を取った。そして待望の車を買った。トヨタのミニエース800㏄の幌付きトラックだった。車の色は濃い青色だった。幌があったので荷台に乗って家族が何処にでも行けるようになった。父さんとふたりで市場に野菜を出荷しに行った。隣のF市の花火大会には5人が荷台に乗って家族7人全員で見に行った。

 暑い日はクーラーが付いていないので横の三角窓を斜めにし風を入れていた。車の前の中央には通気口がありレバーを上げると風が入った。僕はこの通気口を考えた人は凄いなと思ったが……それでも暑かった。

 当時の車は寒い冬になるとバッテリーが上がりクランク棒を回してエンジンをかけていた。