昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

幼稚園と僕

 僕は小学校に入学する前の1年間、幼稚園に通った。両親が引っ込み思案の僕に心配したのか。ただ単に農作業が忙しかったのかわからないが、町の唯一の幼稚園というかお寺に通った。
 午前中のみでお寺には15~16人の子どもが通っていたと思う。小学1年で習うひらがなの読み書きぐらいはしていたと思うがまったく記憶にない。
 僕は砂場でブリキのオモチャで遊ぶのが好きだった。特に温かみのある丸くふっくらとした金魚が好きだった。船や乗り物、バケツやジョウロなどの砂場で遊ぶブリキのオモチャが沢山あったが僕は何故か金魚が好きだった。いつも時間が経つのを忘れ砂場で金魚で遊んでいた。

 そんな僕でも幼稚園で一番好きだったことは10時のおやつに大きめにキャラメル2個が貰えることだった。初めて食べた時はこんな美味しいものがあるかと思ったほどだ。

 僕はキャラメル2個貰えるだけの楽しみに、毎日中学生の兄ちゃんの自転車に乗ってお寺に通った。道路はまだ舗装がされておらず激しく揺れた。僕が乗る荷台には兄ちゃんの学生鞄があり、その上からずり落ちて道路に取り残されることもあった。兄ちゃんは気がつかずそのまま走り去った。