昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

アイスキャンディーと僕

 僕が中学生の夏、農作業の手伝いで一服休みになるとご褒美のおやつはアイスキャンディーだった。アイスキャンディーは10円だった。しかも農協で買うと1割引きで9円だった。100円でアイスキャンディーが11本買えた。兄ちゃんがいるとバイクで農協に買いに行ったが、兄ちゃんがいないと僕が買いに行く当番だった。
 農協は町の中心部にあり家から3~4kmの距離があった。愛車の5段変速の自転車で頑張っても片道10分くらい掛かった。農協の買い物袋は紙袋だった。夏の暑さの水滴で紙袋がベロベロになり破れて中のアイスキャンディーが落ちる可能性があった。10分はアイスキャンディーの限界だった。僕は自転車の荷台横に付いていた学生鞄用のカゴに入れ必死にペダルを漕いだ。

 買い物当番は好きなアイスキャンディー2本選ぶ権利があった。僕は一番好きなバナナアイスとダブルソーダを選んだ。でもアイスキャンディーはベロベロに溶けていた。でも暑い夏に食べるアイスキャンディーは美味しかった。