昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

短靴と僕

 僕の小さい頃の夏は黒の短靴が定番だった。短靴はゴム製で履きやすく脱ぎやすかった。ほとんどの男の子が履いていた。しかも安価で家計には助かっていた。
 僕は走りながら靴を脱ぎ家に入った。玄関で靴はアチャコチャになりわやだった。じいちゃんにはいつも叱られていた。

 短靴のまま川に入ったり、山に入ったりして遊んだ。当然家の手伝いにも履いていた。でも短靴には難点があった。素足で履くため蒸れて足が臭くなることだった。チョン子が油断した時に鼻に足を付けると体が通常の1.5倍くらいに伸び上がり飛んで逃げて行った。近くで干瓢をむいて新聞紙に干していたばあちゃんがバカだねぇとあきれ顔で見ていた。その後、さすがにチョン子も学習し僕に近づこうとはしなかった。

 

 更に残念なことは、僕の足は綺麗に夏の刻印が刻まれていた。