僕が小学校6年生の時に仮面ライダーが初めてテレビで放映された。巨大化することなく原寸大で活躍する姿が身近に感じられ、サイクロンで疾走する姿がカッコ良かった。物語も怪奇ぽっく登場する怪人たちも個性が溢れていた。僕は釘付けになった。
僕は家の周りの山並みや景色を見ながら怪人が来ないかなと空想に耽っていた。
僕は中学1年生の夏休みに仮面ライダーに変身した。
メインスーツは学校で着ているジャージだった。色もデザインも仮面ライダーのそれと似ていた。胸には長靴がつぶれないように入っていた靴型の厚紙を使った。立体感があり色も似ていたのでなかなかしっくりしていた。ヘルメットは兄ちゃんのバイク用のヘルメットを使った。フェイス部分やベルトは紙で工作した。靴は短めの長靴を使った。手袋は農業用のゴム手でスカーフは母さんのを使った。僕は凄く完璧だと思った。
ちょうど大都会のS市から8歳年下の従妹が家に来ていたので颯爽と登場した。
従妹は見てはいけないものを見たように固まりかなり引いていた。
でも……最後には凄いと言ってくれた。