昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

図書室と僕

 僕の小中学校には小さな図書室があった。教室の半分くらいのスペースで両側に棚があり本が並んでいた。小学校と中学校の兼用なので実質それぞれ半分くらいで本の数は少なかった。

 図書室が中学校側にあったので、僕は中学生の時に初めて図書室の存在を知った。本を無料で借りられる。それまではピーンとこなかった。

 僕が特に好きだったのはポプラ社の怪盗ルパンシリーズや偕成社の名探偵ホームズシリーズだった。文章が易しく漢字にフリガナがふってあり読み易かった。また、効果的にイラストが描かれておりそれが想像力を逞しいものにした。本の中でルパンやホームズが生き生きと活躍していた。日本の作家ではポプラ社の少年探偵の怪人二十面相シリーズが好きだった。

  

 僕は本の虜になりワクワクしながら本を借りた。人気だったのですぐに貸し出し中になった。本は全巻揃っているのではなく数は限られていたので、すぐに全部の本を読んでしまった。

 僕は何度も何度も同じ本を借りた。