昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

紙芝居と僕

 小学低学年の頃、テレビの映りも悪く、我が町には本屋がなかったので他に見る娯楽があまり無かった。学校で観る紙芝居は楽しみの一つだった。

 初めて紙芝居を観た時、ばあちゃんの昔話とは別に新鮮で面白さに凄く感動した。道徳の授業に先生が今日は紙芝居ですと言うと僕もそうだが皆な目をランランに輝かせていた。先生が木の紙芝居舞台に紙芝居を入れるところから目が釘付けになった。

 僕は特に「泣いた赤鬼」と「てぶくろをかいに」が好きだった。何度観ても感動した。僕は子供心にその後の青鬼がどうなったか凄く気になったし、子ぎつねのお金がどうなったか店主は気が付いていないのか凄く心配になったり空想はどんどん膨らんでいった。

 先生が今日の道徳は紙芝居ではありませんと言うと、アーと残念な声がそこここでした。