昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

修学旅行と僕

 僕の学校は9人と生徒数が少ないので、生徒数の少ない他校と合同で修学旅行をした。市内の5校が一緒だった。これは小学6年生の時も中学3年生の時も同じだった。中学3年生の修学旅行の時は生徒数の割と多い学校はそれなりに5校の中でも幅を利かせていた。僕の学校の男子3人はこの修学旅行の為に他校にバカにされないように今まで履いたことのない革靴を新しく買って参加した。足が慣れるのに大変だった。でも他の学校はスニーカーだった。

 僕の学校は生徒数が一番少なかったので同じくらいの生徒数の学校と仲良くなった。学校を超えた友情ができ大変意義のある修学旅行だった。今思うとナイス教育だったと思う。僕の学校は男子が3人しかいないので旅館の部屋は他校の生徒と一緒だった。知らない人と一緒の部屋を嫌がる生徒もいたが僕は平気だった。僕の知らない新鮮な情報や刺激を受けるのが楽しかった。学校のクラスメートの考えや行動は大体想像できたので未知なる物を欲していたのかもしれない。栗田ひろみさんの「夢の中へ」が思い出される。

 田舎の学校の皆んなは純朴で見るものが全て新鮮で目がキラキラ輝いていた。僕もそういう意味では興奮していた。別な意味での興奮もあった。都会の女性のミニスカート姿にドキドキした。見てはいけない物を見てしまったという思いだった。僕のクラスメートのW君は割と大人っぽいが、でもドキドキしていた。僕は修学旅行で見るもの全てを目に焼き付けようと必死だった。もちろん6歳上の兄から借りたカメラも持参した。オリンパスペンで35mmフイルムを使うハーフサイズカメラだ。1本のフィルムで倍撮れる優れものだ。あまりにも多いので撮り切るのに苦労をするが。

 修学旅行では学校を超えたロマンスがあり、実際に大人になって結婚したカップルもいた。生徒だけでなく若い先生方も恋が芽生えていた。僕はそういうことに疎い人間だったのでロの字も出たことはなかった。

 中学生の頃の修学旅行では様々な出来事が起こるから面白いと思った。