昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

箱菓子と僕

 僕の親は両方とも10人きょうだいだった。だから僕の家にはお盆の時期になると沢山のお客さんが来た。そしてお供え物やお土産を持って来た。僕と姉ちゃんの狙いは仏壇の前にある箱菓子だった。

 お客さんが帰った後、家族にバレない様に箱菓子の中身をいただいた。当時の箱菓子は紐で縛ってあるので上手に外すと元通りにすることができた。中のお菓子の数が不自然にならないようにお菓子を1個か2個いただいた。和菓子系の饅頭が多かったが、中にはモダンな洋菓子もあった。特にロシアケーキがあるとしめしめと思った。ケーキとは名ばかりで固いクッキーだったが、クッキーの中に入っているジャムとクッキーの相性が良く和菓子とはまた違った美味しさがあった。僕と姉ちゃんは2度いただくことができた。

 僕と姉ちゃんはバレていないと思っていたが、母さんにはバレていた。毎年いただいていたので気がついたらしい。お土産のお菓子は僕と姉ちゃんは減らされてしまった。