昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

スキー遠足と僕

 僕の学校は毎冬スキー遠足をした。隣のF市でワールドカップ開催地の雪質の良いスキー場だった。スキー遠足のために僕たちは父兄が造った我が町のスキー場で練習した。小学高学年から中学3年生までの60人くらいの生徒が参加した。

 スキー場は眼下にF市が広がりその先に高い山々がそびえていた。僕たちは素晴らしい景色の中でスキーをした。小学生の頃は先生にスキーを教わり皆んな一緒に行動していたが、中学生になるとスキーのレベルが一緒の生徒と行動をした。僕は背伸びをしてスキーの上手な生徒と行動を共にしたが、すぐに後悔に変わった。リフトで行った先はワールドカップで滑降などの競技が行われた上級者用コースだった。急斜面で足がすくんでしまった。僕は滑り降りるのに一苦労した。

 昼食は生徒の母親たちが作った豚汁だった。ほとんどの生徒は農家なのでじゃがいも・玉ねぎ・人参・ゴボウなどの野菜は事前に学校に持ち寄った。食器は給食用で給食センターから借りたものだった。僕たちはリフトの下にある用具入れ倉庫で昼食をとった。暖房のない倉庫だったが、母親たちが作った愛情いっぱいの豚汁は寒いからだとこころを温めてくれた。