昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

不思議な物体と僕

 僕が小学5~6年生の頃で秋だった。いつものように市場に出荷する野菜詰めの手伝いを終えご飯を食べに納屋から家に行く途中だった。夜8時か9時過ぎだった。僕の家は山と山に囲まれていて辺りは真っ暗だった。

 ふと空を見上げると細長い物体が僕の頭上にあった。大きさにびっくりした。その物体は低空飛行をしていた。飛行機の様な金属性の外観をしており全体が赤く発光していた。音はなく静かにゆっくりスーと山から山へ僕の頭上を通過して行った。飛行機が飛ぶ場所ではないし、隕石かなと思ったが、動きがゆっくりしていたので違うと思った。大きさは飛行機ぐらいあり、こんなに間近で見たのは初めてで僕は何だろうと思った。幽霊かなと思い怖くなって納屋に駆け込んだ。その物体のことを家族に話したが誰も相手にしてくれなかった。渋々姉ちゃんに納屋から出て確認してもらったが物体の姿はもうなかった。

 今でも時々あの不思議な物体の正体は何だったのだろうと思うことがある。