昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

転校生Mさんと僕

 中学2年生の春に大都会のS市からMさんが転校して来た。これで学年が男子3人と女子7人の10人になった。凄いことである。まさかこんな田舎に転校生が来るとは。
 Mさんはスラリとした体形に洗練されたブレザーとコインローファーの出で立ち。それが少し大人びいた雰囲気を出していた。田舎の中学校のセーラー服と運動靴しか見たことのなかった僕は衝撃を受けてしまった。僕は驚きとともに都会の女子は田舎の女子とは違うなと思った。
 Mさんが来るまでは僕と女子のSさんが成績の上位を争っていた。5教科で350~400点くらいがトップの成績だったがMさんは全教科ほぼ満点の成績だった。うわ~凄い都会の子は勉強ができるのだなと初めて実感した。しかし、凄く勉強できたMさんも半年を過ぎた頃になると、田舎の中学校の勉強に馴染んでしまったのか僕たちの成績と同じようになってしまった。あまりにも田舎の勉強のレベルやクラスメートの学力の低さが凄かったのかはわからないが、そういう意味では適応力が凄かったのかもしれない。

 でも、クラスメートはみんな純粋でキラキラ輝いていた。学年の10人は仲が良くまるで兄弟姉妹みたいな存在だった。