昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

レコードと僕

 僕が小学6年生の頃、おばさんの家に遊びに行った。おばさんには2人の娘がいた。僕より12歳と9歳年上だった。姉妹は子供心でも綺麗だなと思った。従姉妹の部屋に入れてもらうとセパレート型ステレオが置いてあった。

 僕の家にもレコードプレーヤーがあったが、兄ちゃんがどこからか貰ってきたレコードプレーヤーでテレビのスピーカーに繋いだものだった。音が悪くテレビの近くを歩くと針が跳んでしまった。

 従姉妹のセパレート型ステレオは家具調でカッコよく音も良かった。レコードを見ると僕の知らない曲ばかりだった。ジリオラ・チンクェッテイの「雨」やジュリー・ウォレスの「マンダム~男の世界」、ミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」などの洋楽だった。

 僕の家のレコードは藤圭子さんの「新宿の女」「圭子の夢は夜ひらく」や由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」、いしだあゆみさんの「ブルーライトヨコハマ」、千賀かほるさんの「真夜中のギター」などの日本の曲ばかりだった。

 ジュリー・ウォレスの「マンダム~男の世界」はCMで聴いたことがあった。ジリオラ・チンクェッテイの「雨」はイタリアの曲だと聞かされた時、イタリアはどこにあるのかわからなかった。

 

 洋楽を聴く従姉妹は凄く大人で知的だなと思った。

 

 でも、僕は聞き慣れた日本の曲が良いなと思った。