昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

T君と僕2

 T君の家には色んな人が来る。モトクロスに出場している何歳も年上のプロのライダーも来る。機械いじりが大好きなT君はバイクをモトクロス用に改造したり修理の手伝いもする。当然バイクにも普通に乗る。
 当時、ヤマハのDT-1(250cc)が人気で弟分のAT-1(125㏄)、HT-1(90㏄)もあった。僕が初めてバイクに乗ったのは、T君がモトクロス用に改造したHT-1だった。オイルタンクが眩しい黄色でサイズも中学生の僕にはピッタリだった。ギアをチェンジするタイミングが難しくエンストを繰り返した。何度かするうちにコツをつかみ上手く走り出した。普通に走るだけでジャンプなどは出来なかったが、慣れてくるとバイクも面白いなと思った。ガソリンとオイルの焼けるようなにおいも好きだった。でも僕はその当時一番好きなバイクはホンダドリームCB750だった。国産車の中で最大の排気量のバイクで、オイルタンクの色とデザイン、4気筒のマフラーも好きだった。
 T君はバイクの他に車を普通に運転していた。凄いことに11tダンプも運転した。僕の周りには普通に車を運転している中学生が多かった。残念ながら僕は車の運転は出来なかった。