昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

ザリガニと僕

 僕が小学生頃、近所の子ども達とともに沢の奥に入りザリガニ捕りをした。ザリガニは冷たくきれいな水が流れている小さな川に生息していた。僕はどこにいるか大体わかった。他の子もそうだった。石をはぐるとハサミを上げ威嚇しているザリガニがいた。捕まえるタイミングを間違えるとハサミで指が挟まれることもあり泣く子もいた。ザリガニは沢山いてすぐにザリガニは小さいバケツに一杯になった。

 僕たちは家に戻りザリガニをきれいに洗った。大きなザリガニは殻が固いので外し、小さいザリガニはそのままにしてプライパンで炒めた。ザリガニは鮮やかな赤になり香ばしい匂いが辺りを漂った。醤油を垂らすとシンプルなザリガニ料理の出来上がりだ。ザリガニはきれいな水で育ったので泥臭くなく美味しかった。皆な満足で1匹残らず食べた。

 今、考えると当時捕って食べたザリガニは二ホンザリガニだった。二ホンザリガニは2000年に絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。半世紀も前の話で食べてしまったものは仕方がないが、せめてもの救いは僕たちは子ザリガニや卵を持っているザリガニは川に戻したことである。小さい頃の夏の思い出である。