昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

かくれんぼと僕

 小学校の低学年の頃、近所の子どもと良くかくれんぼをした。いつもは誰かの家でかくれんぼをしていたが、何故かお墓で初めてかくれんぼをすることになった。近くにお墓があり、ちょうどお盆の時期だったのでお墓は草が刈られきれいに掃除がされていた。お墓は周りが木で覆われそこだけが違う世界の様な感じだった。

 ある家のお墓の周りを左回りに3回回ると必ず蛇が出るという噂があった。試しにやってみると本当に蛇が出てきた。それには皆んな驚いてしまった。

 皆んなはお墓の陰や木の陰に隠れていた。僕は誰にも見つからないようにお墓に唯一ある小さな小屋に隠れた。僕は最後まで見つからなかった。僕はその小屋が何なのか知らなかった。

 その日の夜、兄に聞くとその小屋は今は使われていないが2~3年前までは火葬場だったということである。確かにレンガ造りの大きなストーブの様なものがあり、その上に畳一帖くらいの鉄板が置かれていた。その鉄板は人型の様に加工されていた。

 僕はその夜は怖くて寝ることが出来なかった。

 その日以来、僕たちはお墓でかくれんぼはしなかった。