昭和の時代と僕+

昭和の時代。僕のまわりで起こった些細な出来事を手当たり次第に綴った。

入学式と僕


 僕は昭和41年4月に小学校に入学した。凄い田舎なので男5人女6人の僅か11人の新入学生である。その後、男2人は転校する事になるので最終的に9人になった。今は見ることが少なくなったが学生帽を被り、当時の流行である胸に大きく名前を書いたハンカチを付けて母と一緒に登校した。町全体が100ちょっとの戸数なので親同士は顔なじみである。

 希望に満ち溢れていたかどうかはわからないが真新しい教科書のインクの匂いが好きだったのは憶えている。僕は小学校は幼稚園の延長と考えていた。友達と遊ぶことばかり考えていたので、なぜ勉強するのかわからなかった。当然、勉強の仕方もわからなかった。授業中はボーと先生の話しを聞き早く終わらないかとばかり考えていた。復習や予習することすらわからなかったので家に帰って来ても何もしなかった。宿題もあまりしなかったと思う。親も何も言わなかった。当然、成績は悪かった。でも、田舎なので塾は無く同級生や周りの生徒もあまり勉強はしていなかったと思う。勉強をしていたのは先生の子ども達だけである。

 小学校までは4キロ弱あったので中学生の兄の自転車に乗せてもらい登校した。帰りは兄の下校の時間と合わなかったので歩きだった。歩きながら色々な空想に耽りながら帰宅した。家ではばあちゃんがチョン子と一緒に待っていてくれた。